汚水、雑排水、雨水など排水配管の設計は気候条件、設置される器具や使用形態等からどの程度排水が見込まれるかを推定し、選定表などから管径を決定します。
今回は排水配管の設計手法は器具排水負荷単位法、定常流量法などさまざまな手法がありますが、そのすべての設計手法に共通する原則について解説していきます。
排水配管の種類について
まず選定の原則を説明する前に、排水の配管はその呼び名が決められており、その種類を読み違えると説明がうまくできないので、ここで定義しておきます。下図に建物における排水配管の概念図を示します。
器具排水管 | 衛生器具の排水接続口から排水横枝管までの配管 |
排水横枝管 | 器具排水管と排水立て管を接続する配管 |
排水立て管 | 各階の排水横枝管を接続する垂直な排水管 |
排水横主管 | 排水立て管の最下部に位置し、屋外まで導く配管 |
敷地排水管 | 建物の外壁面から公共下水道までの配管 |
排水配管径決定の基本事項について
器具排水管の管径について
器具排水管は以下の二つの条件を満たさなければなりません。
- トラップの管径以上
- 管径30mm以上
トラップの最小の管径は基本的に30mm以上であるので、トラップの管径以上と思ってもらってかまわないと思います。
排水横枝管の管径について
排水横枝管には複数の器具排水管が接続されます。その接続される器具排水管のうち、最大の管径をもつ器具排水管の管径以上としなければなりません。
つまり、衛生器具→器具排水管→排水横枝管への流れの中で管径の縮小は許容されないということです。後述しますが、この部分に限らず、それ以降の流れの中でも基本的に管径の縮小は許容されません。
排水立て管の管径について
排水立て管には複数の排水横枝管が接続されます。その接続される排水横枝管のうち、最大の管径をもつ排水横枝管の管径以上としなければなりません。
管径の縮小について
排水横枝管、排水立て管の基本事項を見てもらうとわかるように基本的に排水管の流れの中で、管径の縮小は許容されません。
まとめ
以上が排水配管径選定時の基本事項になります。これが原則となるので、以降に説明する様々な設計手法において今回説明した事項を満たされなければ、設計としてNGとなります。
今後は様々な設計手法について解説していこうと思います。
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