この記事は私が施工管理業務で経験したことをまとめています。
今回はダクトの上の配管更新工事で、ダクトが邪魔で人がいけない場所での工事をどういうふうに対応したかについて書いていきます。
あくまで対応の一例としてみていただければと思います。
現場で起こった問題と状況
今回の工事では機械室の一番上にある配管を更新する工事で、更新する配管の下にダクトがぎっしり敷き詰められており、人が入る隙間もないという状況です。現場のイメージ図は以下のようになってます。
作業を行うにはどうしてもダクト上の配管のある工事エリアに辿り着く必要があります。
対応策とその問題点
対応策
今回の工事ではこの問題に関してダクトをコの字型加工して昇降スペースを作るということで対応し、配管のあるエリアまで昇降できるようにしました。
この工法のいいところは既存の設備を動かしたまま工事を進めることができる点だと思っています。
居ながら改修工事では既存の設備は生きています。なので極力設備を止めずに工事をしたいという客先の要望がよくあります。この工法を用いれば既設の設備を止めずに工事を進めることができ、客先への影響を最小限に抑えることができます。
問題点
しかし一方で、加工したダクト部分では抵抗が増すので、風量が加工前に比べて出なくなるリスクがあります。なので改造前後で風量測定を行い、その影響を把握しておく必要があります。
その結果によって以下のような判断ができます。
もし風量が少なくなっていた場合 →工事完了後元の状態に復旧
もし風量が変わらない場合 → 工事後もそのまま配管の点検スペースとして使用
結局最後は客先の判断に委ねられられます。
風量が減る状況であったとしても設計風量を満たしていればそのままでいいやとなるのでしょうし、風量が変わらなくてもなんか気持ち悪いから復旧しといてよ、となるかもしれないです。
なのでこちらの役割としてはその判断材料をしっかり提示する必要があります。
施工者としては復旧しない方が楽だし、メンテにも使えるからなんとか復旧しない方向に持っていきたいのですがね、、、
まとめ
今回の記事のまとめは以下になります。
現場の問題と状況: 機械室の高い位置にある配管を更新する際、ダクトで覆われた狭いスペースに至る必要があった。人が入る余地がない状況であった。
対応策: ダクトを加工して昇降スペースを作ることで、既存の設備を止めずに工事を進め、建物使用者への影響を最小限にする提案を行った。これにより、工事エリアにアクセスできるようになる。
対応策の問題点: ダクト加工により風量が減少するリスクがある。風量変化による影響を評価し、客先の判断に委ねる。設計風量を満たす場合でも復旧を検討する可能性がある。
以下は私の感想ですが、納まりが厳しい部屋であったり、メンテのことなど考えていないような施工であることは現場ではよくあることなのかなと思っています。なのでダクトが邪魔で昇降できない時の解決策としては結構色々な現場で使えるのかなと思ったりします。
確かに抵抗が増すことは避けられないかもしれませんが、ダクト1系統のほんの一部分だけであるので、客先への影響はかなり小さいものなのかなと思います。このデメリットに対し、昇降スペースを確保することの工事のしやすさや品質の確保のメリットの方が大きいのではと思っています。
皆様も今回紹介したような状況になった場合はぜひ検討していただければと思います。
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