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湿り空気線図 -冷却と加熱-

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湿り空気線図
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この記事では、空気を冷却、加熱したとき、空気線図上でどういった動きをするのかがわかるようになります。

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湿り空気の状態変化について

湿り空気は空調(冷却、加熱、除湿、加湿)によって、湿り空気中(水蒸気+乾き空気)パラメータである乾球温度絶対湿度相対湿度湿球温度が変化します。結果としてエネルギーである比エンタルピーも変化します。

冷却による空気線図上の動き

冷却(冷房)する時、湿り空気の線図上での動きは露点温度に達する前の場合露点温度に達した後の場合で違いがあります。露点温度とは、ある湿り空気を冷却したときに、水蒸気が凝縮する時の温度のことであり、簡単に言うと結露する時の温度のことを言います。

露点温度に達する前の場合は、水蒸気が凝縮しない状態であるので絶対湿度が一定で、乾球温度が低下する変化をします。空気線図上の動きは下図のようになります。

  • 乾球温度・・・低下
  • 湿球温度・・・空気中に蒸発できる水蒸気量が減少するため、低下
  • 絶対湿度・・・空気中に溶け込んでいる水蒸気量は変わらないため、一定
  • 相対湿度・・・湿り空気の水蒸気分圧が飽和水蒸気分圧に近づくため、増加
  • 比エンタルピー・・・0℃の乾き空気のエネルギー状態に近づくため、低下

露点温度に達した後の場合は、乾き空気に蒸発しきれなくなった水蒸気が凝縮するため、絶対湿度、乾球温度ともに低下します。空気線図上の動きは下図のようになります。

  • 乾球温度・・・低下
  • 湿球温度・・・空気中に蒸発できる水蒸気量が減少するため、低下
  • 絶対湿度・・・空気中に溶け込んでいる水蒸気量が凝縮するため、低下
  • 相対湿度・・・湿り空気の水蒸気分圧が飽和水蒸気分圧であるため、一定
  • 比エンタルピー・・・0℃の乾き空気のエネルギー状態に近づくため、低下

冷却時の線図上の変化をまとめると下表のようになります。

乾球温度湿球温度絶対湿度相対湿度比エンタルピー
露点温度に達する前低下低下一定増加低下
露点温度に達した後低下低下低下一定低下

以上からわかるように冷却(冷房)を行った場合、露点温度に達していない場合は冷却作用が働き、露点温度に達した後は冷却作用と除湿作用が働きます。

※実際の空調機ではバイパスファクターがあるため、露点温度に達する部分とそうではない部分があり、上記の線図で示した変化はしないが、簡単のため今回は湿り空気全体が露点温度に達するものとして考えました。

加熱による空気線図上の動き

加熱(暖房)する時、乾き空気は加熱され、空気中の水蒸気量は変化しないため、絶対湿度一定で、乾球温度が上昇します。空気線図上の動きは下図のようになります。

  • 乾球温度・・・増加
  • 湿球温度・・・空気中に蒸発できる水蒸気量が増えるため、増加
  • 絶対湿度・・・空気中に溶け込んでいる水蒸気量は変わらないため、一定
  • 相対湿度・・・湿り空気の水蒸気分圧が変化せず、飽和水蒸気分圧が大きくなるため、低下
  • 比エンタルピー・・・乾球温度上昇により、0℃の乾き空気のエネルギー状態に対して大きくなるため、増加

まとめ

今回は冷却と加熱の線図上の動きについて解説しました。冷却時、加熱時の変化は下表に示します。

乾球温度湿球温度絶対湿度相対湿度比エンタルピー
冷却(露点温度に達する前)低下低下一定増加低下
冷却(露点温度に達した後)低下低下低下一定低下
加熱増加増加一定低下増加

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