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MD継手とは 用途、施工方法について解説

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空調・衛生施工
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MD継手は主に衛生設備工事で用いられる継手です。正式名称は「排水鋼管用可とう継手」といいます。
今回はその具体的な用途や、その施工方法、注意するべき点について解説していきます。

私が実際に使用した東亜高級継手バルブ製造株式会社様のMD継手のカタログを参考に解説していきたいと思います。

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MD継手の概要

MD継手ははじめにも述べましたが「排水鋼管用可とう継手」といい、規格は「JPF MDJ 002」となっています。
その名の通り管の熱伸縮等に対応する可とう性を持っており、接続も配管を切断したものを差し込み、フランジで締めるだけになるので、熟練の作業員でなくても容易に施工できるという施工性の良さが特徴として挙げられます。

写真 MD継手 https://www.toakoukyu.co.jp/ より

MD継手の用途

MD継手は基本的に配管を差し込むだけなので外径が継手に合っていれば接続することが可能なので適用できる管種はかなり広いです。しかし外径は同じですが、SUS管、VU管には使用してはいけないそうです。よく使われる具体的な管種についてピックアップしたものが以下になります。

SGP 配管用炭素用鋼管「JIS G 3452」
D-VA 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管「WSP 042」
VP 硬質塩化ビニル管「JIS K 6741」

一方で公共建築工事標準仕様書ではMD継手の適用管種にVPは含まれていません。
ここにメーカーと標準仕様書の間に乖離があります。

これは実際に寸法を確認するとわかるのですが、VPの内径とMD継手の内径が合っていないことが原因と考えられます。この内径差によって段差を生じ、排水が滞ってしまうという懸念からそうなっていると思われます。MDとVPを繋ぐ場合は注意が必要かもしれません。

MD継手の施工手順について

MD継手を構成する部材は主に継手本体、フランジ、パッキン、ボルト、ナットで構成されます。これらを用いて配管を接続していきます。具体的な手順を以下に示していきます。

配管の切断

バンドソーを用いて配管を直角に切断します。この時直角に切らなければ接続部に段差ができ漏水やつまり、腐食の原因になります。

面取り、切断面の仕上げ

次に切断後にスクレーパー、リーマーなどで配管切断面を仕上げていきます。

差し込み代マーキング、防錆塗料の塗布

次に配管を継手に差し込み寸法のマーキングと防錆塗料を塗布を行います。

差し込み代マーキング

このマーキングは継手に対して適切に配管が差し込み、接続されているかを確認するために行います。マーキング代についてはサイズによって規定されています。このマーキング代まで差し込み、締め付けることでメーカー規定の能力が発揮されます。
施工管理の際はマーキングまで差し込み、締め付けがなされているかを確認する必要があります。写真でも求められることが多いので管理のポイントになります。

防錆塗料の塗布

つぎに防錆塗料を塗布します。これは主に加工後に鋼部分が開放されている管端に塗布します。これを塗らなければここが錆びポイントになるため管理の際にも注意が必要です。

使わなければならない防錆材にも規定があります。公共建築工事標準仕様書では「JPF MP 006「ハウジング継手」に規定する対塩水噴霧試験に適合する防錆塗料を使用すること」と記載があります。なのでそれに適合する「ヘルメシール30-V」などの防錆材を使用しなければならないところにも注意が必要です。これも管理のポイントになりそうですね。

配管へのフランジ、パッキンの取付

配管に対して、フランジ、パッキンを以下の図のように取り付けていきます。

継手と配管を接続

最後にMD継手と配管をボルトナットで接合していきます。このとき片締めにならないようにバランスよく締めていきます。

また締め付けの際にメーカー規定のトルクで締め付けられているかを確認する必要があります。過度に締め付けると破損の原因になります。しかしなかなかトルク管理をするのは大変でやれていないというのが実情なのかなと思います。

締め付け完了したら、最後にマーキングがフランジ面のところまで来ているかを確認して施工完了となります。

MD継手を採用する際の注意点

MD継手を採用する際は以下のような注意点もあります。

継手の直近に支持を設置する必要がある

これは公共建築工事標準仕様書に記載のあることですが、可とう性を有する継ぎ手に関してはその継手直近で吊りを設けなければならないという規定があります。

この継手を採用する際には通常の支持に加えプラスで支持の検討が必要になります。

基本的に無圧の系統で用いる

MD継手は基本的に無圧の系統で用いなければなりません。基本的に差し込んでいるだけなので、圧力のある配管で用いると配管の抜けの原因になります。

有圧でのMD継手を用いたい場合(排水をポンプで圧送する場合など)は圧力配管用のMD継手があるのでそちらを用いなければなりません。

まとめ

今回はMD継手の概要、用途、その施工方法について東亜高級継手バルブ継手株式会社様のカタログを参考に解説させていただきました。

継手一つとってもこんなに考えなければならないことがあるのかと、かなり驚きました。
施工が容易とはいえ管理のポイントは多く、これらをすべて完璧にこなそうとするとかなりの労力になることがお分かりいただけたかと思います。実際私自身もマーキング管理をするだけで精一杯でした。笑

基本的な接続方法は今回説明した通りとなっていますが、ユニオン継手などすこし特別な繋ぎ方をする継ぎ手もあるので今後解説していきたいなと思っています。

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